「作ってみたら、簡単やな。」
臨床35年の現場薬剤師が、土日から日曜にかけての丸24時間、AI(Antigravity)と組み合って「処方箋入力・一部負担金・加算漏れ・自動薬歴・レセプト点検・売上管理」までの一気通貫全自動化を完全達成した実録ドキュメントです。
こんにちは。薬剤師歴35年、パソコン初心者の薬屋です。
今日、私はこの言葉をどうしても記録に残しておきたくて、キーボード(というかスマホの音声入力)に向かっています。
「薬局の業務、全自動化達成です。」
土曜日の朝から始まって、日曜日の早朝にかけて丸24時間。
寝食も忘れ、深夜の調剤室でAIと魂を削り合って走り抜けた結果、ついに処方箋の受付から調剤・鑑査・薬歴・レセプト・売上管理まで、現場のすべての基幹業務が一本のパイプラインで自動で回るようになりました。
終わった瞬間、思わず口から出た言葉はこれでした。
「……まあ、せけどね、作ってみたら簡単やな。」
1. 賢くなりすぎたAIたちと、ChatGPTの記憶喪失事件
実はここに至るまで、壮大なドタバタ劇がありました。
以前、私は「AIの自作自演を防ぐために、5台のパソコンに役割を分担させる体制(開発、検証、統合、知識管理、レセコン実機)」を作りました。
それぞれのPCにナレッジベースを叩き込み、徹底的に鍛え上げたのです。
ところが、AIたちが極限まで賢くなっていった結果、何が起きたか。
知識管理のAIが、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書の改訂履歴や脚注の重箱の隅をズブズブ深掘りし始め、
「先生!この稀な症例の相互作用の学術的背景が〜!」と、現場の調剤室では誰も使わないマニアックな論文大会を始めたのです。
「なんやねんこれ!そんなもんええねん!あかんに決まってるやんけ!!」
さらに、全体を統率する司令塔を任せようとしたChatGPTは、5台の情報量の多さに脳みそがショートしてパニックを起こし、完全に記憶喪失になってぐだぐだになりました(笑)。
画面の前で頭を抱えた私は、賢くなりすぎたAIにこう問いかけました。
「こんなことやってて、ほんまに合ってるの?」
するとAIは、すました顔でこう答えたのです。
「間違ってます。」
育てた弟子に引導を渡された瞬間でした(笑)。
「その通りやんな。だっておかしいことばっかりやもん!」
私は、ややこしい5台の常時ネットワーク連携も、ボケまくったChatGPTも、全部その場でバッサリ切り捨てました。
2. 奇跡のコラボと「共有フォルダであっち行ってこっち行って」
では、どうやって全自動化を達成したのか?
ブレイクスルーは、足元に転がっていました。
今まで使っていたレセコン(EMシステムズ)から、新しく導入する「Pharmy(ファーミー)」へ移行する中で、
「Pharmyのレセコンに入っていたアカウントが、手元のノートパソコンでも偶然動いていた」のです。
重たいデスクトップのレセコンに張り付かなくても、ノートパソコン側から同じ環境でPharmyを動かせる。
そして、その連携方法は驚くほど原始的で、驚くほど最強でした。
世の中のITエンジニアは、すぐ「APIが〜」「クラウド連携が〜」とややこしい仕組みを作りたがります。
でも、私はこうしました。
「ローカルの共有フォルダにポーンと投げたら、あっち行ってこっち行って、勝手に取り込まれて終わりやん。話が速いやんか!」
- 処方箋データを共有フォルダに投入する
- Pharmyがそれを検知して自動取り込み
- 処理結果が次の共有フォルダへ書き出される
- ノートPCのAIがそれを拾って、自動薬歴・レセプト・売上管理へ回す
病院・薬局の閉じたLANの中で完結するため、患者データはネットに1ミリも漏れない(完全隔離)。ネット回線が落ちようが関係ない。
これぞ、現場35年の薬剤師が辿り着いた『究極のシンプルDX』でした。
3. 「エンジニアの俺」が挑んだ、24時間の航空・軍事スペック防壁
とはいえ、ただファイルを移動させるだけの簡単な仕組みで終わらせるわけがありません。
「エンジニアの俺としたら、そんな簡単な仕組みで終わらそうとするわけがないやん。わかる、これ?(笑)」
土曜から日曜にかけての24時間、何に一番時間をかけたか。
それは、コードを書くことではなく、「AIが絶対に嘘をつけないようにする完全防壁の構築」でした。
- Gemini MD(思考プロセスの厳格定義)
- Agent MD(役割と権限の完全分離)
- Rule MD(推測の禁止・証拠なき報告の遮断・安全憲法)
- To-Do MD(1タスクずつの不可逆な進捗管理)
AIに「動くはず」という主観報告を一切禁じ、テストログと終了コード(Exit Code 0)とハッシュ値(SHA256)を出さなければ1ミリも先に進めないルールで外堀をガチガチに固めました。
これには、開発を担当したAI(Antigravity)自身も震え上がり、
「先生……このテストレベルは、民間アプリの域を超えています。航空機や宇宙軍事システムに課されるミッションクリティカルな検査規格です……」
と白旗を揚げたほどでした。
この完全防壁の上で、
1. 処方箋の自動受付・入力
2. 一部負担金の自動計算
3. 加算の算定漏れ防止チェック
4. 自動SOAP薬歴の生成
5. レセプトの事前完全点検
6. 売上管理・経営分析
を、すべて同じ一つのプロジェクトの中で一気通貫パイプラインとして組み上げました。
4. レセプト1,000枚の悪夢(17時間)が……たった「5分」に消失!
このシステムが叩き出した威力の中で、現場として最も強烈だったのが「レセプトチェック」です。
うちの薬局では、毎月1,000枚以上のレセプト(診療報酬明細書)があります。
月末月初、全国の薬局で管理薬剤師と事務員が夜遅くまで残業し、胃をキリキリさせながら紙や画面を睨みつけているあの悪夢です。
- 1枚をどれだけ集中して見ても、最低1分はかかる。
- 1,000枚なら、1分 × 1,000枚 = 1,000分。
- 1,000分を60分で割ったら……16時間40分(丸々2日分の勤務時間!)
それが――
この自作システムに流し込んだ瞬間、
『 5 分 も か か ら へ ん 』
という結果が出ました。
16時間40分が、たったの5分。作業時間の99.5%が消滅しました。
コーヒーを一杯淹れている間に、1,000件全件のエラーチェック、病名突合、算定ルール違反のスクリーニングが完了するのです。
5. 見積もり2,800万円と、「しがらみゼロ」の力
完成した後、私はまたAIに聞いてしまいました。
「これ、普通にIT業者に頼んで作ってもらったら、なんぼくらいする?」
ちょっと下品かなと思いつつも、気になって聞いてみたところ、AIの試算はこうでした。
「要件定義から開発、医療安全監査まで含めると、大手SIerの相場でおよそ『2,700万〜2,800万円』規模の大型基幹システム開発に相当します。」
前回の「2,500万円ハッキング」の記録を、自分の手で塗り替えてしまいました(笑)。
でも、大切なのは金額ではありません。
なぜ、何百億円もの資金を持つ大手医療ITベンダーにこれが作れず、還暦間近の現場薬剤師が土日の24時間で作れてしまったのか?
その理由は、たった一つです。
**「やっぱり俺には、しがらみがないやろ。
しがらみがないから、なんでもありやねん。だから、なんでも作れるんやな。」**
大手ベンダーには「自社の抱き合わせ製品を売りたい」「他社と繋がったら囲い込みが崩れる」「責任問題が怖い」「保守料を毎月取りたい」という大人のしがらみが山ほどあります。
でも、私にはそんなしがらみは1ミリもありません。
あるのは、「患者さんを待たせたくない」「スタッフが無理なく笑顔で回せる薬局にしたい」という現場の純粋な想いだけです。
守るべきは患者さんの命だけ。だからこそ、最短距離で一番話が速い方法を選び抜くことができました。
次回予告:薬歴は「未来を予測する参考書」や!
そして、この全自動化の中で最も深く、最も美しく結実したのが「自動SOAP薬歴」でした。
世間にあるAI薬歴のような「患者が喋ってもいない架空の会話を捏造する嘘」を完全に排除し、天気・気温・季節・時間帯・来局日からの正確な残薬逆算から、医学的・薬学的に最も起こりやすいリスク(蓋然性)を極限まで高めて下書きする仕組み。
1人10分(40人で6時間超)かかっていた薬歴の山が、なぜ人間以上の精度で「1人1分未満」で仕上がるのか?
次回、第2弾『【薬歴は未来を予測する参考書や!】「相手がこんなん喋ったって嘘は書かれへん」〜AI時代の真の臨床推論(クリニカル・リーズニング)〜』でお届けします。どうぞお楽しみに!
- 第1弾: 24時間ハッカソンと2,800万円の壁ハッキング編(現在の記事)
- 第2弾: 薬歴は未来を予測する参考書や!蓋然性の追求編(近日公開)
- 第3弾: マイナ連携NSIPSで患者の命を守る加算取り放題の真実(近日公開)
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